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うっかり掘り起こした骨がうっかり左胸にぶっ刺さった(オカワダアキナさん『晩年のままごと』を読んで)がしかし、生きている

振り返れば損なわれてしまうかもしれないというおそれによって書くことのできない脆弱と晩年にようやく踊る身体になれるひと。夢枯れてみんな死ぬ。しかもしあわせに。 そんなの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! オカワダアキナさんの『晩年のままごと』を読みました。 あまぶんサンタになれませんでした。 あまりにもつらかったので、先日お会いした時におかさんにつらかったんです、って何度も言いました。(あれは思い出せば絡んでいた、すみませんでした)。『晩年のままごと』。なにかおそろしい引力を感じて買った。合同誌でご一緒したり打ち上げなどで同席したりしていたのにおかさんのご本をちゃんと読むのははじめてという不義理!(かといってこれを読んだことにかんしては義理ではない、本命……)。 つらいとかいっぱい書いたけど、『晩年のままごと』およびオカワダアキナさんになにがしかの悪感情を抱いているとかではありません。ただ自分がおセンチな読み方をしてしまい、つらいと言ってしまった。どうかご寛恕ください。 人間関係の不良なんですよね。 仲良くなれるんです、そしてどうでもいいんです、でも愛する機能を働かせることができるんです。だから愛しすぎてしまって時折つらい。もう断絶してしまった、かつて愛したいろいろな(とてもわずかな)ひとたちを思い出す時、昔のままの自分と彼と彼女がいる。いまの自分はきっと幻滅されるだろうと思う。彼や彼女がいたときの自分というものは、明晰で、鋭敏で、繊細で、ユーモアがあって、輝きを引き出されていた、引き出しあっていた(と美化するところまでがお約束です)。 実際輝かしくて尊い、過去です。 わたしは頭がいいひとが好きで、天才的なひとによくよく惹かれました。そのときの自分は追いつこうと足掻く努力家でした。彼女に取り入り、けっこう露骨に近寄って、それから仲良くなりました。とても。努力するひとにもよくよく惹かれました。そのときの自分はは生まれついての天才でした。(そのような存在だと錯覚していました)。仲良かったです。すごくとても。周りの人にあらぬことを疑われるくらい。そして誰にも代えがたい、生まれる前から親同士の縁があり、あたりまえのように特別な幼馴染。彼女がいればわたしは他の人間がひとりも必要じゃないと思った時期もあった(主に、思春期

第二十三回文学フリマ東京参加報告

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こんばんは、ヲンブルペコネです。 Twitterのモーメント機能を活用してみたため、今回は毎回恒例の新刊ダイジェストはしませんでした。が、おちらでは引き続きイベントレポートというか感想文というかあのね日記を書こうと思います。 ばーん。 代わり映えのしないブース。ただ、今回は頒布数が多いのでぎゅーぎゅー目でした。 なんとなく午後2時くらいまでかなりまったりペースで「まったりだねー、のんびりだねー」と言っていたものでしたが、それから午後4時くらいまででかなり出ました。 ワンフロア開催が最新の記憶だったので、第二展示場こんな狭かったっけ?ってなりました。広いほうがいいなー。あと水曜日開催はすごく嫌だなー(翌日死んでいたので)(しかも雪!)。今回なにか物珍しいことあったかなーと思い出してみましたがギョッとするような方がいらっしゃったりはしなかったので平和でした。とはいえ、近くのサークルさんで中にいる人数があまりにも多いとさすがに窮屈ではありますね……。ひとり参加だとバックスペースが両隣からじわじわ狭くなるのが、仕方ないといえば仕方ないのですけれど。 テキレボで知り合ったかたなどなど、ご挨拶いただいてなかなかうかがえずすみません。なかなか心苦しいところもあるのですが、ありがとうございます。ブースにいるときは基本的に買ってきた本を読んでいたりカタログにチェックつけたりしている派です。あれが通常営業ですー。それくらいのほうが自分は買うときも楽なので……。 お買い物部門ですが、今回は金欠のため抑え目。AIアンソロ(ものすごく豪華な感じでかつ本が超絶綺麗!)、マゾリリさんの新刊(会場で一回読み終えたのですが首がちぎれそうになりました、最高に好きです)を買えたのが特に嬉しかったです。夏のコミティア行って以来イベント三回分くらいの積読が溜まっているのでゆっくり読んでいこうと思います。毎度感想はきまぐれになりますが、書けたらいいなー。最終巻のものが多いので、もったいなくて読めないというのももうありありで!もったいない!だって終わっちゃう……。 今回の落山の新刊『&Blue』はあまり冊数刷ってないとはいえ、9割がた頒布できました。手にとってくださったかた、ありがとうございます。今回の文フリで年内のイベント参加は終了ですので、残

『赤錆びと渇きの。』『眩暈の紫』委託通販のご案内

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こんばんは! 先日のテキレボ新刊の通販がはじまりましたので、お知らせします◎ アリスブックスさまでの委託通販となっておりますので、イベント頒布価格とは異なりますがご了承ください。わたしのほうには個人情報が渡らない仕組みですので、安心して利用いただけるかと思います。 『赤錆びと渇きの。』 http://alice-books.com/item/show/6028-1 750円(税別) B6判・本文80頁 著者:跳世ひつじ 装画:あるびの 本文抜粋ブログはこちら→  『赤錆びと渇きの。』本文抜粋 赤錆びの雨が降り、街は陰鬱に彩られていた。 青年マリアは、薄暗い雨降りの昼に、《人形店》の主とその作品を殺害した。己のなかの殺人者の影に喘ぎ、苦しみ、悶える彼は、自らが手にかけたはずの少女人形オルガと再会する。殺したものと殺されたものはやがて奇妙な関係を築き、餓え渇く魂を埋めるため、ひたすらに腕を伸ばしはじめる――。 「貴方は僕を欲望する」 『眩暈の紫』 http://alice-books.com/item/show/6028-2 ※アリスブックスさまに登録した画像には帯がないので、こちらは写真です。実物ー。 550円(税別) B6判・本文60頁 著者:跳世ひつじ 本文抜粋ブログはこちら→  『眩暈の紫』本文抜粋 双子の一方は若く、一方は老いていた。 赤い雨が止み、奇病が蔓延るホーン。数年ぶりに師のもとへと帰ったヴァイオレットは、幾度も繰り返す少女の生のなかで、いつも死だけを見つめていた。 師弟のきずなと双子の情、街の愛し児たるヴァイオレットは、誰を愛し、誰とともにあることを選ぶのだろう。 「あたし、あんたを許すわ」 以上2点の出品となっております。 11月23日文学フリマ東京にも持ち込みますので、もしイベントにいらっしゃるかたはそちらで手に取っていただくほうが楽かもしれません。タイミング的には10月23日のコミティアが終わるとアリスブックスさんで委託通販をするサークルさんが増えるので、なにか目的のものがあるかたは一緒に利用してくださると嬉しいです。 跳世ひつじ

Text-Revolutions4(テキレボ)参加報告

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こんにちは! お昼過ぎに起きました。 昨日のテキレボ4、お疲れ様でした! 当サークルの本を手に取ってくださったかた、挨拶いただきましたかた、朗読を聞いてくださったかた、ありがとうございました!! 一般来場者数が前回の倍となtったときいて驚くとともに、頒布数が文学フリマに比肩する実績となりまして、御礼です……。今回はまさにテキレボんドリームだなあと思いました。 あっあとたくさん食べ物いただいてしまって……おいしくたべます! 売り子にもお気遣いありがとうございました。 ■頒布部門 ブース画像ですー。 今回久しぶりに帆布小物も持って行ったらブックカバーもいくつか旅立ってゆきましたー。お声がけいただければまた持ってゆきます。 今回からだんだんだんぼーるのミニを導入し、文庫サイズの既刊をまとめて置いてみました。やっぱり下のポップにまとめて価格書いとくのわかりにくかったみたいなので、もう次回からはサンプルにべたべた貼ろうと思います。 新刊は中央です。後ろが若干散らかってるのはですね、机上小説家とか!そういう!やつですお許しをー。ちなみにこれはまだ開場前でした。 毎回うまくレイアウトできないのでアレです。テキレボの机デカくて厄介なんですよー……。 今回は会場すごく見回り易かったです。机上小説家の特設パネルあたりはやや謎めいてしまっていましたが……。見本誌棚の位置も休憩机もよかったんじゃないかなーって思います。なんだかんんだばたばたしていてゆっくり会場遊泳する暇はなかったのですが、相変わらずわちゃわちゃしていて楽しかったです。 頒布実績の詳細は省きますが、 『赤錆びと渇きの。』 『眩暈の紫』 の新刊二種はたくさん出ました、ありがとうございますっ。朝一で買いに来てくださったかた、あるびのさんの美麗表紙を見て来てくださったかた、楽しみにしてたとお声がけくださったかた、本当にうれしかったです。あと打ち上げであるびのさんの表紙を自慢していたらお買い上げくださったかたもありがとうございます、本当に……。 イベント前のTwitterで、「#テキレボで楽しみな本」「#テキレボでオススメな本」で取り上げていただいたことも大きかったと思います。わたしもみなさんの本をもっと上手にオススメできるようになりたいです。 ちなみに、

テキレボ準備号・新刊ダイジェスト②

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こんにちは。 テキレボのお買い物代行サービス締め切り前になんとかこの第二回新刊ダイジェストを上げようと思っていましたが敗北しました。えーん。 今回紹介しようと思っていた『眩暈の紫』はカクヨムにて全文公開→しているのでまあもうサボっても?いいのでは?と甘えていました。えーん。 それでは前置きですが、Text-Revolutions4は10月8日(土)、浅草は都産貿センター台東館で開催される文芸同人イベントです。 二次創作もありなので、今回は刀剣乱舞フェアも開催されますよー。当日は占いや朗読、ポストカードラリーや即興小説の企画もイベント内で開催されて、大層賑やかになるはずです。「大人の文化祭」ですね。 というわけで、前回『赤錆びと渇きの。』に続いて、二種目の新刊『眩暈の紫』の本文抜粋&紹介になります。 双子の一方は若く、一方は老いていた。 赤い雨が止み、奇病が蔓延るホーン。数年ぶりに師のもとへと帰ったヴァイオレットは、幾度も繰り返す少女の生のなかで、いつも死だけを見つめていた。 師弟のきずなと双子の情、街の愛し児たるヴァイオレットは、誰を愛し、誰とともにあることを選ぶのだろう。 欲望×日常を描きだす、仄暗い一幕。 B6判60頁、400円 ででーん。 両更クラフトに、紫色の帯です。タイトルが『眩暈の紫』(げんうんのむらさき)だからです。 こちら、前回ブログで紹介しました『赤錆びと渇きの。』と舞台を同じくしております。淀んだ街・ホーン、『赤錆びと渇きの。』時点で降っていた赤い雨が止み、そして…というお話。 といっても、繋がっているのは世界くらいなので、お話しはそれぞれ単体でお楽しみいただけます。 ※ただ、『眩暈の紫』主人公のヴァイオレット、『赤錆びと渇きの。』主人公のマリアは両作品ともに登場しております。よかったら二冊手に取って探してみてね(ダイマ) てなわけで早速ダイジェストしますー。 「あんたが死ねば、パンをひとりで食べられるのに」  ヴェネットはヴァイオレットを呪っていた。だがヴァイオレットはそうではなかった。ヴェネットは罵詈を尽くそうとも、ヴァイオレットから離れなかったからだ。捨て置いたりしなかった。彼女は決してヴァイオレットをそばから離そうとしなかった。同い年の双子のはずなのに、まるでヴェ

テキレボ準備号・新刊ダイジェスト①

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お久しぶりです。 多忙で、ブログの存在などすっ飛んでお空の彼方でした。 本日も文フリ大阪と本の杜があったそうですね、参加されたかたはおつかれさまです。生憎と修羅場の最中でどちらにもゆけなかったのですけど、どちらも参加してみたいイベントです……。 気持ちを切り替えまして、本日はすてきなテキレボ準備号です。一冊ずつ記事を分けるので、今回は①とナンバリングしてみました。 イベント前恒例・新刊ダイジェストをするので、ぜひ読んでね◎ まず! 10月8日、浅草は都産貿センター台東館で開催されるText-Revolutions4。 もうブースも発表されました、当サークル・ヲンブルペコネは【A-22】です! そしてWEBカタログのヲンブルペコネの頁はこちら。 https://plag.me/p/textrevo04/1969 後述するお買い物代行サービスにおいてもカタログ大事!なのでぜひチェックしてみてください。 なにかを頑張ってしまったので新刊が2冊出ます。 かつてない優等生なのです。ポカは帯の発注数をまちがえるくらいで、財布と精神に大打撃を食らうようなショッキングなことは起きていません。万事順調ゴーゴーテーブルダンス。 前回のブログ記事で水煮さんにお話の分析をしていただいた作品が、今回の目玉です。 『赤錆びと渇きの。』 B6判80頁カバー付き、600円 赤錆びの雨が降り、街は陰鬱に彩られていた。 青年マリアは、薄暗い雨降りの昼に、《人形店》の主とその作品を殺害した。己のなかの殺人者の影に喘ぎ、苦しみ、悶える彼は、自らが手にかけたはずの少女人形オルガと再会する。殺したものと殺されたものはやがて奇妙な関係を築き、餓え渇く魂を埋めるため、ひたすらに腕を伸ばしはじめる――。 著・跳世ひつじ 装画・あるびの ◆本文抜粋  バスタブに飛び込むと、蘇る心地がした。熱い湯に触れたせいで、いま再び涙が、止まらなくなる。これからしばらく、水というものを見るたび、或は熱というものに触れるたび、オルガは泣いてしまうかもしれないと思った。ひつようなものがあるとその幸運を思って、泣かずにはおられないだろう。  ヴィヴィアンネのいた場所を、水や熱や、或は名も知らぬ誰かで埋める。  これからのオルガの、いましばらくの行動指針ができた

太陽王と夜の女王のたたかい(水煮さんに創作を鑑定してもらったよ)

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こんばんは~。 ブログタイトルからじゃなにがなんだかという感じかもしれないですね。 実は先ほど、話題の水煮さんの鑑定を受けておりました~。Twitterのタイムラインの方々がみなさんとてもおもしろい鑑定の感想を流していて、わたしもわたしも!と思い! 実は前回のテキレボで水煮さんにみていただいたので、それがとてもおもしろくて、っていうのももちろんあります。水煮さんは創作と占星術を結びつけて、ブログのほうでも興味深い記事がたくさんあるのです。(あと、わたしは水煮さんの独特のたとえや言葉選びがすごく好きです) ホシカン 創作活動のための星占いブログ 今回は、参考作品に今年秋のテキレボで出す新刊を読んでいただき、跳世の活動と作品についてのお話をしていただきました。写真はメモの一部です。 「ホロスコープまんまですね!」 ということで、強烈な単語で埋め尽くされたメモ! テキレボ新刊は性癖全開のファンタジー作品なのですが、つまり、そういうことです! わたくしは月が蠍座、太陽が獅子座。水煮さんの本日の言い回し「太陽王と夜の女王のたたかい」をブログ記事のタイトルにちょうだいしました。 新刊についてまだなんの情報も出していないので、具体的なことをほいほい書くわけにはいかないのですが、「重さ、くどさ、ねっとり」の三つは十分だそうです。やったね! とにかく劇的で舞台のよう、派手で生活感がない。(今回の鑑定でいちばん聞いたことばは「地に足がついていない」だったかも笑) まさしくだなあとひたすら頷いて聞いていました。 世界じたいが閉鎖的で内に向かうようなものを設定しているので、それがまずわたくしの表現そのものだと。キャラクタたちも自己存在がまずあり、そこから相手との関係になるか、相手との生活のなかで自分がいかに変容するか、と。関係性と自己と破滅と再生と、思い描いていたものと合致してふむふむです。 書いていて自分で「これが読みたかったー」「これやってみたかったー」「ぼこぼこにしよう」「醜態醜態」等々、欲求に忠実になった結果、まんまですね、が出るとなると嬉しかった(?)です。自分が読みたいかそうでないかは「書きたいか」とはまた違うものではあるので、読みたいと書きたいの重なる部分をがさごそと掻き集めて版築よろしくぎゅっぎゅっと(なんなら人柱でも立てながら

無鉄砲とリーディング

今日?昨日? 夜、渋谷にのこのこと行ってきました。ポエトリーリーディングオープンマイクSPIRITに、観察に(?) 会場に着いたらすでに遠藤さんがいて、わたしは今回「ひとりでいくもん」みたいな気持ちでいたものの、めっちゃ安心しました。そのあと崩れる本棚のウサギさんとも合流して、なごんだ……。 大島健夫さんのリーディングが結局最後まで頭に残っていました。 こういったものを聞くのはほとんどはじめてだったのですが、オープンマイク自分を除いて13名と主催のかたがた、スペシャルゲストのラッパーのレイトさんと、とにかく多様だったので、無闇にびびることはないなと思えたので行ってよかったです。 読んできました。 ちょっと前に文フリだったかな、で配った「お〽とスクラップ・テンプル」という無料配布に収録した「よるによりそうよろこびにむねたかなるときの〽」という散文詩のようなものを読んできました。 5分間でおさまらなくてところどころ端折って、暗くなる絶妙なタイミングで「わたし夜が慕わしいの」って言ったのちょっと決まったなとか思ってすみませんでした。 ひとさまのまえでなにかを披露するのはとても久しぶりで、膝が笑いました。手がぷるぷるしないようにテキストを両手でぎゅって持ちました。 特に根拠もなく「できるきがする」と思っていたので、第一声から「あーっ声たかいーっ」ってなってもう諸々がどしゃーっとなってひと言でまとめると難しかったです。とにかくこれはテキストを手放すところからはじめて飲みこまないとコントロールするのたいへんだなと……。 よく考えたら持って読むのは持たないで読むより難しいじゃないかって……(そうだよね)。 自分の5分を終えたらぐったりしました。嫌な汗かいた。 でもちょっと楽しかったです。上手になりたいなって思えたので。 なんか、聞いているかたの顏が見えないくらいの照明が欲しいなってぼんやりしました。読むのへたくそなのに声は腹からぶわーて出ちゃって、ちょっと大丈夫か?って。いろいろ思い出したりもしました。でも、わたしはとてもじゃないけれど自分を直接提出することはできないなとも改めて感じた……。 リーディングはその点こころよい距離感ですね。 おもしろコンテンツになれないくせして、こわがりのくせして結構、目立ちたがりで、自分が困ることもしばしばで。近ごろほ

久しぶりにスープを作った話

先程家に帰ってきて、「あー」って思いながら床にぺったり座って、もっかい「あー」って言って飲むヨーグルトひと息に飲んだ。そのあとGET27を飲むヨーグルトで割ってこれもひと息に飲んで、「あー」って言った。 母方の実家がばたばたしているおかげで、近ごろ静岡と埼玉を行ったり来たりしているのだけれど、まあ自分にできるのはせいぜいがお手伝いとかお使いとかそういう次元のお話だけで、移動以外さしたることもしていない。そういう認識でいて、「まあわたしはたいへんじゃない」って思っていたら、ストレスみたいなものがぐわっと襲ってきて、肩とか頸とかがすごく凝ってる。 実家暮らしのお決まりの怠惰が突然殴りかかってきたせいで、もろもろに変調をきたす。 殴り返すには「家事スキル」とか、「なんか図太い精神」とかが必要だけれど、いま手にあるカードは中途半端なみどりいろのGET27だけで、これ大事だからがしゃーんしてこの中途半端な量を失うわけにいかないんですよね。 冷たいお弁当って、カップラーメンの百倍「たべもの」の顔をしてない。 半分も食べれなくって自信喪失した。 百年ぶりにキッチンに立って、玉ねぎ切ったりして、スープつくって飲んだらおいしかった。 料理って特殊技能なのに、なんか独学推奨っぽくて、できないとなんか微妙なリアクションをされるジャンルで、もちろんわたしは料理がいまいちできないわけだけど、「嫌い」って思ってしまう。それにしたって、冷たいお弁当のあのたべものっぽくなさ、「食べろ」という強制力のマイナスっぷりは、むしろ遠まわしに死ねと言っているんじゃないだろうかと思わせるものがあるような気がした。 ぬくぬくしているから、母親の手料理をありがたくもあたりまえに毎日食しているから、こそ思うけれど、手料理の「食べなさい」という力の強さは、ほかの食品の追随を許さないものがある。それが苦しいときがないわけではないけれど、その強迫によって生かされていると、突然放り出された時の所在なさ、心細さがもうびっくりするくらいで、これについてもなんだか「あー」ってなってしまう。 料理するひとはすごい。 残したら悪いなとか、そういうあらゆる愛情と遠慮と諦めをもろもろと含めて、(おいしいももちろんあるけれど)、手料理ってやっぱりただの具材とは思えない。わたしはひとりでいるとインスタント食品でずるずるずるずる生活しちゃ

第二十二回文学フリマ東京参加報告

こんにちは、ヲンブルペコネです。 昨日は第二十二回文学フリマでたのしい時間を過ごしてきました。まず、ブースを訪ねてきてくださったすべてのひとにありがとうございます。そしてテキレボでの少女小説ラリー棚に忘れてきてしまった見本誌を届けてくださった副主催様、ほんとうに申し訳ありませんでした。ありがとうございました。以後気をつけます。 さて、拙【ヲンブルペコネ】も文学フリマははや四回目の参加となりました。頒布数、前回が何冊だったかちょっとうっかり忘れてしまったのですが、毎回参加するごとに頒布数が増えている気がしまして、うれしいかぎりです。完売こそ出なかったものの、既刊はのこり一冊とか、二冊とか、数えるのに両手がいらない数になりました。各種作品の再版等は悩みどころですが、とりあえず『ラプラスの新悲劇』は増刷しようかなと考えております。 今回は前日に飲み会があり、帰宅し、無料配布を印刷しはじめるという毎度毎度のまぬけな進行でした。当日朝目覚めて胃が猛烈に痛くて苦しんだんですが、開催中は胃痛も止み、帰宅後ぶり返しました。つまり元気に文フリを過ごしたということですね。都合のいいからだでよかったです。いま胃が痛いです。 とくに完全新刊を持って行ったわけではなく、三月のテキストレボリューションズで新刊として発行した『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』と合同誌『落ちる羊、遠くのヒツジ』を文フリ初頒布の新刊扱いで持ち込みました。テキレボで買ってくださったかたをいつもの文フリから引きますと、やはり今回の頒布は順調だったということになります。うれしいですね。 わたくしも参加させていただいた『散歩と遺体アンソロジー』書籍版も好調だったようで、それもうれしかったです。俗物なのでね……。 新刊もなかったし、個人的にはとってもまったり過ごした文フリでした。 第一展示場ということでワンフロア開催だったわけですが、いつもと違うなと感じたのは後半のスローペースさでしょうか。膚の感覚ではなんとなく後半のほうが賑わうかなと思ったのですが、第二展示場の場合一階にあたるジャンルのほうがひとが少なかったように感じました。というか全体的に前半のほうが盛り上がっていたのかも。 壁のスペースはうしろを気にしなくてよかったので、それもまったりの一因ですね。ターリー屋さんのナンバーガーを食べ、クルミドコーヒーさん

第三回Text-Revolutions参加レポート

テキストレボリューションズ3レポートです。ややダウナーでお送りしております。 さて、先3月21日に、浅草でテキレボ3に直参しておりました。 いろいろとやりたいなーと思ってファンタジージャンルにて参加、新刊もいつもと違うことをやりました。 ちゃんと起きたし、コンビニコピーもできたし、忘れ物もしなかった。わたくしにしてはパーフェクトです。 会場ついてから、やっぱり事前にブース設営についてきちんと考えなきゃなーと思ったりはしました。というのも、テキレボさんは机が広いのと、今回なんだか新刊二冊既刊三冊無配四種類とペーパーとラリー台紙とか、ヲンブルペコネ的には最多の種類数だったので。上に伸ばすものがなにもなかったので、遠藤さんが合同誌くれたときのちっちゃい箱に布かけて既刊置きました。おもいつきにもほどがある。 レイアウトグッズ、もう少し真剣に考えて買おうと思います。極力印刷費とか交通費以外の経費を投入したくなかったんですよね、いろいろ考えつつ。しかしまあ、既刊も順次絶版にすると思えばその限りでもないのかもしれません。頒布物はせいぜい五種類くらいがいいなと思いました。手に取りにくいですしね。 あと今回の失敗はポップなかったことでした。値札しかついてない。へへ……。 そんなわけで、開場してからもぼんやりしてました。なんか参加者さんがブースに来てくれても反応遅くてすみませんでした。なんかセンサーがオフになっていて気がつきませんでした。机上小説家のテイクフリー用をもそもそ書いていたというのもあるのですが。 新刊『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』は、予想ととんとんくらいの出方、合同誌もさして変わりませんでした。わりあい既刊を手に取っていただいて嬉しかったです。少女小説ラリーに参加させていただいたものの、やや異色というのは理解しておりましたので、これはちゃんと秋にラブファンタジーだしたいです。 前回よりはよく出たのですが、これはひとえにジャンルの問題だと思います。 前回は「純文学」で参加、今回は「ファンタジー」で参加。 会場の照明の問題もあると思うのですが、メインストリームのファンタジージャンルはやはり人通りが多いし、買い物しやすいと感じました。それに対して、「純文学」や「現代」のジャンルがあるC列かな? あちらと、どの列も奥の方は、あきらかに場所

テキレボ3が来る!新刊ダイジェスト!

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テキレボまであと少しですね!!  今回はイベント前恒例の新刊ダイジェストをお送りします。  まず基本情報のおさらいを……  テキストレボリューションズ3は3月21日(月祝)、会場は浅草の都立産業貿易センター台東館にて開催ですよ!  そいでもって我がサークル【ヲンブルペコネ】のブースは【B-09】です。    では今回テキレボ3で頒布する新刊情報とダイジェストなんかを以下にて。     ★『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』著・跳世ひつじ  文庫判84頁、300円      ところで、ニャンプーは夜色の肌をしていました。ニャンプーは夜と闇からうまれた幽霊だからです。髪と、まんまるい目は、いちばん大きな月の色でした。ニャンプーはまさしく、夜の子どもでした。ニャンプーは踊りながら歩き、今晩は荒れ地にじっと蹲りけして動くことのない毛皮鰐を、黄金の輪で三匹、ころしました。   凸凸凸 ぽつぽつぽつねん 佇む鰐は  世にも醜い角なし三角、わたしかわいい幽霊子ども 汗も涙もまっくろ油の毛皮鰐は どうしてそんなに陰気なの?  でももうなにも残らない 九九九年のやくそく 運命的滅亡 凸凸凸 おまえもおまえも 向こうのおまえも  メルルカ・アンポルカの鰐 一匹残らず 燃え上がってはうたって踊れ、運命的滅亡は荒れ地のやさしさ  わたしニャンプー幽霊子ども 世にもかわいい毛皮鰐ころし    ニャンプーは好きなときに眠り、起きます。その晩は、月がまんまるくて、ニャンプーの眸のようにとろとろとしておいしそうだったので、ニャンプーは飛び跳ね踊りよろこびながら荒れ地をゆきました。夜はニャンプーの時間でした。ニャンプーは夜にひろがって、どこまでもどこまでもゆくことができるのです。ニャンプーの光る月色の髪と目だけがメルルカ・アンポルカに浮遊して、それ以外のからだのすべてはもやのようにうすく引きのばされて、遠くなることができます。  そうして見つけた毛皮鰐は、ニャンプーが今まで見てきたどんな毛皮鰐よりも大きく……ふつうの毛皮鰐の、ゆうに三倍はありました……、そして驚くべきことに、もはや半分以上死んでいるの

メルルカ・アンポルカ入稿しました。(跳世ひつじ)

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こんにちは。ヲンブルペコネです。 先日テキレボのWEBカタログが公開され、わたくしも無事に新刊の入稿を終えました。 こちら書影です。 じゃ~ん。 まだ届くのは先なので、実際の質感がどうかはわからないのですが、とりあえず84頁なので薄めかとは思われます。 そんなわけで、新刊の著者は「跳世ひつじ」です。今回はじめて奥付に著者近影を載せました。 『鰐と運命的滅亡のメルルカ・アンポルカ』 ★文庫判84頁、300円で頒布いたします。 なお、少女小説ラリーさんと滅亡探訪さんの地図に掲載していただきます。少女小説らしい少女小説のほうはいろいろ間に合わず断念しました。うう。で、本作のほうは、 すべての種が九九九年のやくそくのもと滅びる大陸メルルカ・アンポルカ。 人間の九九九年がおわり、毛皮鰐の九九九年がおわり、つぎにおとずれたのは幽霊の九九九年でした。 幽霊のニャンプーはやくそくを超えて生き延びた詩人ララバイと出会い、毛皮鰐に運命的滅亡を与えるためにメルルカ・アンポルカ大陸をうたいながら歩みゆきます。 という感じの、ちょっと児童文学っぽいかんじのリリカル・ファンタジーです。 どのあたりがリリカルかというと、ニャンプ―とララバイがへんな節のうたをしょっちゅううたっています。跳世はめちゃくちゃ考えたわけです、へんてこソングを。そこがいちばんの見どころであり、描きたかったものだったわけです。 漢字も少な目なのですが、これはあくまでも書き手の好みのバランスでひらいただけなので、時折難読も混ざるやもしれません。でも、なんとなく子どもさんも楽しめるといいなーと思いながら書きましたので、ぜひ。 身も蓋もなく言うと、ふんわりヘンテコで理屈とかがないかんじのnot本格ファンタジィです。 恩師の「きみは童話を書くべきだよ」という言葉を思い出しながら書いた作品であります。わたくしのどこを見てそうおっしゃっていただいたのか正直今でも謎なのですが、いま思えば書いてた演劇の脚本のせいですね、きっと。うたやせりふの雰囲気を当時のふうに回帰してみたりもしました。 さてさて、著者のお話をしようと思って今日はブログを書いているのでした。 マスコットキャラクタとか適当抜かしていた「跳世ひつじ」でありますが、この存在は【ヲンブルペコネ】において「エンタメ」を担うサークル内レーベルに

今後の予定など

 だいぶお久しぶりです。  先の文フリが終わって以来ですね。寒くなると同時に訪れる憂鬱ーな気分に年末年始で追い撃ちがかかり、そのままずるずるとブログやらネップリのことなんぞ忘れていた次第です。いよいよテキレボも来月だし、文フリ東京の申込期限日も過ぎたし、わたしもこうしちゃいられん、と徐々に立ち上がりはじめました。というか、〆切がね。  Twitterのほうでも浮上が稀なのは、いっぱいいろいろ書いているからです。今日はそのあたりと今後のお知らせをしようと思って更新しました。  まず、来る3月21日はテキレボ3について。 ●アンソロ不参加 ●少女小説ラリーに新刊一作で参加(予定) ●遠藤ヒツジさんとの合同誌『落ちる羊、遠くのヒツジ』発行(作業中!) ●純文学アンソロジーに参加  このような感じです。  今回【ヲンブルペコネ】としては「跳世ひつじ」というマスコットでもって少女小説ラリーにがっつり参加する予定だったのですが、思いのほか冬季の不調が響きまして、そちらでの新刊はいま修羅場です。出るかどうかわかりません。ブースは「ファンタジー」ジャンルで取得しているので、じつは純文学あたりにはいないのです!なので!新刊がでないとただの場違いになります。こわやこわや。がんばります。  少女小説ラリー。いや、ほんと、がっつりラブファンタジーの「少女小説」を持っていく予定だったのですが、そちらはいま調整中です。新作は諦めまして、跳世ひつじともまた違う名義でのWEB作品の再録を出せるかいま努力しております。  でもさすがに何もないのはまずかろうと新作を描いておりまして、これが少女小説ラリーさんに申請したものとなっております。  ヘタレで……。  羊合同誌と純文学アンソロジーのほうは書き終えているのですが。  なかなか頭の切り替えがうまくいかず、本文であるはずの少女小説やらファンタジー新作やらが捗々しくないです。ひえー。自分、むしろ純文学ジャンルとうたって書き始めたほうがぜんぜん最近なので、(ずっとWEBの片隅でやってました)こちらをついにオフでやるときが来たといきりたっていたのですが。力みすぎたようです。うう。  とにもかくにもテキレボ3の会場には何らかの新刊を持ってまいりますので、遊びにいらしてくださると幸いです。  といっても、羊合同誌と純文学アンソロジーのほうがあるので、